こんにちは。熊谷友見です。
占いの種類の中で、六壬神課というあまり聞きなれない占いというのが存在します。
みなさんご存じの、「安倍晴明」が主に使用していたと言われる占術の一つです。
ほとんどの占いでは、占いでしか使わない専門用語というものが存在しますが、この六壬神課も例外ではありません。
目次
六壬神課で外せない式神について
六壬神課という占いでは、主に「式神(しきがみ)」というものを使用します。
キャラクター的なものをイメージするとわかりやすかもしれませんが、それぞれの持っている特徴というのがあります。
そのキャラクターが、吉凶を判断する上で重要な役割を持っているんですよね。
この六壬神課があまり浸透していない理由については、いくつかあるのかもしれませんが、1440通りの答えだけでなく、かなり複雑に解釈しなければいけないことから、手軽さというのが弱かったのではないかと思います。
三国志で有名な「諸葛孔明」もこの占いを使っていたようですが、日本では安倍晴明が主に使用していたこともあり、使いこなすには相当の達人でないと難しかったのではないかと。
陰陽道で使用する式神の十二天将とは?
六壬神課で使用する式神は、主に十二天将(じゅうにてんしょう)というものになります。
六壬神課という占いにもいくつか種類があり、中には十二神将(じゅうにしんしょう)と呼ばれることもあります。
仏教の薬師如来に関連する十二神将もあるのですが、これはまったくの別物になりますので、勘違いしないようにしましょう。
十二天将(じゅうにてんしょう)は、安倍晴明をはじめとする陰陽師にとって必須の占術であった六壬神課で使用する象徴体系の一つである。北極星を中心とする星や星座に起源を持っており、それぞれが陰陽五行説に当てはまる。
十二天将は十二神将と呼ばれる事も多々あるが、仏教の十二天、十二神将とは全くの別物。六壬鑰等の六壬の古典では『神』は六壬天地盤の天盤に配される十二支であり『将』は十二天将を指している。そのため六壬神課における『神将』は、天盤十二支とそれに配布された十二天将の両方を同時によぶ用語であって、十二天将を十二神将と呼ぶのは本来は正しくない。
十二天将には吉凶があり、吉将と凶将と呼ばれるものが存在します。
組み合わせなどによっては吉凶の強弱が変わることもあるので、吉将だから良い、凶将だから悪いという単純な判断はしません。
この辺りは、タロット占いなどの他の卜占にも同じことが言えるので、解釈ができるとおもしろさが増すのではないかと。
十二天将のとはどういうものか、ご紹介したいと思います。
1.貴人(きじん)
十干・十二支は己丑。
五行は土。吉将。
高貴・福徳・目上の人など、最も吉意の強い十二天将になります。
2.螣蛇(とうしゃ・とうだ)
十干・十二支は丁巳。
五行は火。凶将。
不安・恐怖・驚きなど、怪異や変事を象徴する凶将となります。
3.朱雀(すざく・しゅじゃく)
十干・十二支は丙午。
五行は火。凶将。
華麗・冷淡・美人など、知恵や美しさを象徴する凶将となります。
4.六合(りくごう)
十干・十二支は乙卯。
五行は土。吉将。
交際・和合・結婚など、調和や交流などを示す吉将となります。
5.勾陣(こうじん)
十干・十二支は戊辰。
五行は土。凶将。
闘争・暴力・遅滞など、争いごとを示す凶将となります。
6.青龍(せいりゅう)
十干・十二支は甲寅。
五行は土。吉将。
慶事・繁栄・財産など、富貴を司る吉将となります。
7.天空(てんくう)
十干・十二支は戊戌。
五行は土。凶将。
空虚・損失・詐欺など、何事においても実質が伴わない凶将です。
8.白虎(びゃっこ)
十干・十二支は庚申。
五行は金。凶将。
争い・病人・旅行など、移動や変化を象徴する、凶意の強い凶将です。
9.大裳(たいもう・たいしょう)
十干・十二支は己未。
五行は土。吉将。
忍耐・飲食・継続など、福楽や衣食に関することを示す吉将になります。
10.玄武(げんぶ)
十干・十二支は壬子。
五行は水。凶将。
滅亡・陰険・女性問題など、万物の終焉を司る凶将です。
11.大陰(たいおん・たいいん)
十干・十二支は辛酉。
五行は金。吉将。
清潔・隠居・神経質など、隠し事や秘め事を示す吉将です。
12.天后(てんこう)
十干・十二支は癸亥。
五行は水。吉将。
愛人・妻・妊娠など、主に女性を象徴する吉将になります。
六壬神課は中国発祥の占術なので、四柱推命や風水との関連がある
十二天将は、仏教の十二神将とは違うという説明をしましたが、呼び方は似ていても元になっているものが違うので、別物になります。
六壬神課の十二天将に出てくる青龍や白虎など、風水では方位を司る神獣となり、同じものと考えてもらえるとわかりやすかと思います。
十二天将それぞれを示す干支なども、四柱推命で使用するものと同じですし、五行なども同じですから、中国発祥の占術なのがよくわかります。
吉凶の強弱も、四柱推命で使われる支合や冲なども同じような意味合いで使うので、六壬神課を学んでみたいと思う方は四柱推命である程度基礎を学んでからの方が理解しやすいですよ。
私が最初に学んだ時も、四柱推命をある程度理解してからといわれたのですが、実際に学んでみて、その基本用語や使い方を同じように使うことから、とても納得したのを覚えています。
式神を使う占いは、六壬神課以外は現存していない
色んな式神を扱う占いは、この六壬神課以外は私自身は知りません。
違う占術で関連しているものはありますが、式神という部分では六壬神課だけだと思います。
四柱推命で使う干支などは、東洋占術ではほとんど使用しますしね。
風水の神獣以外の式神は、六壬神課くらいしか見たことがなかったのですが、すべての東洋占術を学んだわけではないので、他の東洋占術で一部は使われている可能性も。
まるっと同じ式神が使われているのは、現存していないと思っても間違いないのではないでしょうか。
最後に
日本では安倍晴明が有名ではありますが、彼がどんな占術を使っていたかとまで考える方は少ないように感じます。
どちらかというと、映画やアニメなどで妖怪を操る!?ようなイメージが先行しているようにも思えます。
ですが、メインは私たちと同じような占術を駆使して仕事をしていた官僚でもありますが、一目置かれるほど優れていた人物なのは確かなのかもしれません。
六壬神課を学ぶ上では、安倍晴明の存在は切り離せないですから、十二天将の式神だけでなく、陰陽道にも繋がっていくのではないかと思いますね。