こんにちは。熊谷友見です。
風水というと、占いなどのエンタメ的なイメージを持たれる方は今でもたくさんいます。
書店などで売られている一般書を見ると、お手軽な風水という感じのものが多く、日本流風水のような印象が強いんですよね。
現役占い師から見る、風水の科学的根拠などをご紹介したいと思います。
目次
現代の風水は環境学として伝えられているが、自然の恩恵を受けること
私たちが初心者の方に風水のことを説明する時には、「環境学」という説明をしています。
環境学と一言でまとめていますが、風水を簡単に説明すると、人は自然環境と調和することで、大自然の恩恵を受けることのできる中国の環境学なんですね。
それ以外にも、天文学や地理学、天象などの普段の私たちの生活に密着している学問の基本は風水でも同じように使われています。
風水を説明するのであれば、中国の歴史をしっかりと学ぶ必要がありますが、何だか難しいイメージがしませんか?
書籍などではその難しい部分を省いての説明になっているので、そこだけを見てしまうと占いなどのオカルトっぽさやエンタメもあり、学問的なイメージと繋がりにくいのかもしれませんね。
今の人たちにわかりやすく説明しようとすると、かわいらしいイラストなどを使ってしまうため、科学的根拠がないと思われてしまうのは仕方ありません。
歴史からもわかるように、先人たちは風水を上手に利用した人ほど名を残している傾向があります。
日本の京都は風水都市として広まっていますが、厳密には今の京都ではなく、平安京が風水を元に作られたと言われています。
風水を分類すると、陰宅(いんたく)風水と陽宅(ようたく)風水の2種類ある
風水は大きく分類すると、陰宅風水と陽宅風水の2種類に分かれます。
陰宅風水はお墓の風水
陰宅風水とは、主にお墓の風水鑑定のことを指していて、墓相とも言われています。
風水の古典書の一つに葬書(そうしょ)というのがあり、こちらに風水は陰宅から始まったと記されているんですね。
先祖供養を環境の良いところでお祀りすることで、子孫繁栄を願うというもの。
その良い環境にお墓を建てるための土地を探す人のことを地理師(ちりし)と言い、現在の風水師のことを指しています。
実際に、お墓を建てる時には、風水師が使用する羅盤を使ってお墓の向きを決めていきます。
風水師の中でも、陰宅風水ができる人はかなり少ないのが現状です。
陽宅風水は住居の風水
陽宅風水とは、私たち生きている人間の住居の風水鑑定のことを指していて、家相とも言われています。
こちらも同じように、羅盤を使って風水鑑定をすることは陰宅風水と同じですが、大きな違いは「動く人がいるかどうか」なんですね。
陰宅風水は亡くなっている人が埋葬される場所なので、動く人は存在しませんよね。
陽宅風水は生きている人が生活するための場所なので、動く人が存在することになります。
陰宅風水は羅盤で1度単位から細かい度数を測りますが、陽宅風水は少し度数の範囲が広がるんですね。
生きている人が対象の風水鑑定になりますので、家だけでなく、店舗や会社の事務所などもこちらに該当します。
風水鑑定の主な判断は「巒頭(らんとう)」と「理気(りき)」が基準
風水鑑定をする上で、主な判断は巒頭風水と理気風水の2種類が基準で鑑定を行います。
巒頭と理気の違いは以下のようになります。
自然や人工の造形物を元に、目に見えるもので判断する巒頭風水
巒頭風水は、主に目に見えるもので吉凶を判断します。
山や川、海や森林などの自然と、人工の造形物である建物や道路、橋や電柱などが、人に対してどのくらい影響を及ぼすのかを判断する方法になります。
身近な部分で言えば、間取りの中の家具の配置なども巒頭風水で判断することで決めたりもするんですね。
この巒頭風水は中国江西省がルーツとされていて、山脈を龍に例えて、水の流れの状態などを組み合わせて、吉凶の判断を行っていました。
家相は、主に巒頭風水の要素が多く取り入れられていますので、吉相や凶相の判断で風水と家相とでは大きな違いは少ないのが特徴です。
目に見えるものが主体となって判断するため、風水羅盤は補助的に使われていたようですよ。
現在の家でも多い東南玄関ですが、その理由として、巒頭の風水理論から東南玄関が良いという判断で作られていると言われています。
陰陽五行理論や易を元に、目に見えないもので判断する理気風水
目に見える形で判断する巒頭に対して、陰陽五行理論や易を元に、時間や方位を含めて判断するのが理気風水になります。
この理気風水は、中国福建省がルーツとされていて、巒頭では羅盤は補助的に使われていましたが、理気では羅盤を使用して判断するのが基本となります。
見えないものの判断ですから、巒頭よりも判断材料が多くなるため、同じ理気風水を使用する風水師であっても流派が分かれることから、意見の食い違いも出てきているのが現状です。
ですが、理気風水だけで家の状態の判断をする風水師はなく、巒頭風水の影響はどうしても出てきてしまいます。
巒頭風水と理気風水と併せて総合的に判断するのが、現在の風水師の鑑定方法なんですよ。
複数の学問を元に、風水理論は科学的根拠が形成されていった
風水は、地理学の解釈と、天文学や天象の解釈を元に発展したと言われています。
現在の建築でも建築学というのが存在していますし、風水理論も影響していますから、風水的というよりも別の視点での科学的根拠はあるのではないでしょうか。
占いの影響もあり、非現実的というイメージがついている風水ですが、私たちの身近な学問が元に根拠をお伝えしていますので、繋がりが理解できてないだけなんじゃないかと思えますよね。
理気風水では時間の概念も含まれていて、私たちが普段使っている時間の概念も、天文学を元に発見されています。
この時間の概念から、風水師が絡んでいる家の建築やリフォームになると、時間の吉凶を判断して工事を開始する擇日法(たくじつほう)も必ず使用します。
家の風水鑑定を依頼したい時、擇日法を知らない人は、ニセモノの風水師だと判断できますよ。
最後に
風水は、迷信や科学的根拠がないものと思われがちですが、実はしっかりとした学問を基準として成り立っていることがわかっていただけたかと思います。
運気という目に見えないものだからといって、何の根拠もないということではなかったんですね。
人間自体が、自然とうまく共存することが大切ですし、上手に取り入れることで運気が上がるのは自然の力をうまく取り入れた結果にすぎないのかもしれません。
風水を無視していると、不思議と自分にとって良くない出来事が起きるのは、自然に逆らっている影響なんだと思ってしまいます。
上手に風水を取り入れることができれば、運気は上昇してきますよ。
こちらの書籍に風水の詳しい詳細が載っていますので、ぜひ読んでみてくださいね。